値の解釈(ルックアップ)
この資料では、PRTG Network MonitorでSNMP カスタムセンサーで取得した数値を、説明やステータスとして表示させる方法について説明します。
情報源
この資料の情報源は以下のとおりです:
ナレッジベース:Value interpretation (aka Lookups)
https://kb.paessler.com/en/topic/70609-value-interpretation-aka-lookups
本資料はPaessler AG作成の資料/ナレッジベースをジュピターテクノロジー株式会社(以下当社と略記)が独自で翻訳したものです。ベストエフォートの翻訳であるため、最新情報ではない可能性があります。最新情報は情報源をご確認ください。
OIDがステータスと文字列に対応する数値を返す場合
例えば、あるUPSのOIDを指定してSNMP カスタムセンサーを作成したとします。
このOIDは以下のようにステータスに対応した数値を返します。
1 No events 2 High line voltage 3 Brownout 4 Loss of mains power 5 Small temporary power drop 6 Large temporary power drop 7 Small spike 8 Large spike 9 UPS self test 10 Excessive input voltage fluctuation |
値「9」の意味をわかりやすく表示することはできますか?
具体例
このOIDは、ステータスと文字列に対応する数値を返します。 これは、ルックアップの典型的な、あるいは理想的な使用例です。
上記のUPSのMIBの内容は次のとおりです。
1.3.6.1.4.1.318.1.1.1.3.2.5.0 (ups adv input line fail cause) |
The reason for the occurrence of the last transfer to UPS battery power. The variable is set to: – noTransfer(1) — if there is no transfer yet. – highLineVoltage(2) — if the transfer to battery is caused by an over voltage greater than the high transfer voltage. – brownout(3) — if the duration of the outage is greater than five seconds and the line voltage is between 40% of the rated output voltage and the low transfer voltage. – blackout(4) — if the duration of the outage is greater than five seconds and the line voltage is between 40% of the rated output voltage and ground. – smallMomentarySag(5) — if the duration of the outage is less than five seconds and the line voltage is between 40% of the rated output voltage and the low transfer voltage. – deepMomentarySag(6) — if the duration of the outage is less than five seconds and the line voltage is between 40% of the rated output voltage and ground. The variable is set to – smallMomentarySpike(7) — if the line failure is caused by a rate of change of input voltage less than ten volts per cycle. – largeMomentarySpike(8) — if the line failure is caused by a rate of change of input voltage greater than ten volts per cycle. – selfTest(9) — if the UPS was commanded to do a self test. – rateOfVoltageChange(10) — if the failure is due to the rate of change of the line voltage. |
PowerNet-MIBをインポートすると、これらのルックアップはインポート中にSNMP ライブラリセンサーによって自動的に作成されます。 以下のように(カスタム系のSNMPセンサーで使用するための)ルックアップを手動で作成することもできます。
- コアサーバーのC:\Program Files (x86)\PRTG Network Monitor\lookupsに移動します。
- 標準ルックアップから1つ(例:prtg.standardlookups.businessprocess.state.ovl)をcustomフォルダにコピーします。このファイルを参照用に使用します。
- ファイルの名前を好みに合わせて変更します。例:prtg.customlookups.apc.failcause.ovl
- コピーしたファイル(customフォルダー内)をテキストエディターで開きます(ファイルはXMLに似ています)。id=”prtg.standardlookups.businessprocess.state”を新しいファイル名に合わせて変更します。例:id=”prtg.customlookups.apc.failcause”
- APC OID/MIBから返された値とメッセージに合わせて、元のファイル構文に沿ってファイルを修正します。最終的には以下のようになります。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <ValueLookup id="prtg.customlookups.apc.failcause" desiredValue="1" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:noNamespaceSchemaLocation="PaeValueLookup.xsd" undefinedState="Warning"> <Lookups> <SingleInt state="Ok" value="1">No Events</SingleInt> <SingleInt state="Error" value="2">High line voltage</SingleInt> <SingleInt state="Error" value="3">Brownout</SingleInt> <SingleInt state="Error" value="4">Loss of mains power</SingleInt> <SingleInt state="Warning" value="5">Small temporary power drop</SingleInt> <SingleInt state="Error" value="6">Large temporary power drop</SingleInt> <SingleInt state="Warning" value="7">Small spike</SingleInt> <SingleInt state="Error" value="8">Large spike</SingleInt> <SingleInt state="Ok" value="9">UPS self test</SingleInt> <SingleInt state="Error" value="10">Excessive input voltage fluctuation</SingleInt> </Lookups> </ValueLookup>
これにより、それぞれの値を、それぞれのメッセージ(No Events、High line voltageなど)に対応させ、さらにセンサーステータス(Ok、Warning、Error)と対応させることができます。desiredValue=”1″は、センサー履歴データの平均化に影響を与えます。センサーの「一般的な/望ましい」値を設定します。undefinedState=”Warning”は、値が定義のいずれとも一致しない場合(例えば11の値を受信した場合)に、センサーがどのようなステータスになるべきかを定義します。
- ファイルを保存したら、PRTG Web GUIの「設定」-「管理ツール」-「コアサーバーの管理ツール」-「ルックアップとファイルリストの読み込み」で、[実行]ボタンを押し、PRTGが新しく作成したルックアップを読み込んだことを確認します。
- 新たに作成したSNMPカスタムセンサーのValueチャネル (OID 1.3.6.1.4.1.318.1.1.3.2.5.0)で、ルックアップをnoneから新しく作成したルックアップ(prtg.customlookups.apc.failcause)に切り替えます。これで、センサーのステータスは、受信した値に応じて変化します
ルックアップに関する詳細情報:
- PRTG Manual: Define Lookups
- KB: SNMP文字列値の監視と「ルックアップ」(JTC翻訳資料あり)
- KB: Range-based lookup(example)
- Video: How to Configure Lookups in PRTG Network Monitor
- KB: Can i graph text values? – このKBでは、ルックアップにおけるステータスの平均の概念についても説明しています。ルックアップを完全に理解するためにはお勧めです。
その他のSNMP関連のトピック:
- KB: SNMPに対応しているデバイスのセンサーがPRTGで見つかりません。(JTC翻訳資料あり)
- SNMPカスタムテーブルセンサーはどんな監視ができますか?JTC翻訳資料あり)
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